Q&A 産卵木(産卵材)や飼育材について

産卵木(産卵材)や飼育材について、お客様からよくいただく質問をまとめました。

Q1.産卵木や飼育材の加水方法は?

産卵木(産卵材)や飼育材は乾燥させてありますので、使用前に、適度に水を染み込ませてやる必要があります。 水を張ったバケツに産卵木を入れ、石で重しなどして数時間、水に沈めるという方法もありますが、次のようにすれば、必要以上に水を含ませることなく加水できます。

(1)バケツや桶、植木鉢の皿、バットなどを用意します。
(2)用意した容器に底から数センチ程度の水を入れ、産卵木の切断面を下にして、材を立てるように置きます。
(3)材はゆっくり水を吸い上げます。途中、水がなくなったら足し、上側の切断面に水がにじみ出したらOK。その状態で十分加水できています。

この方法であれば、加水後に乾燥させるといった二度手間も基本的にはかかりませんし、材の容積を計算すれば、狙った分量(%)の水を染み込ませることも可能です。

※「菌糸材」は製造過程で十分な水分を含ませていますので入手したあとすぐに使えます。

Q2.材の腐朽具合と芯のあるなしとの関係は?

結論から言いますと、基本的に関係ありません。「腐朽がよく進んだ材が芯のない材で、腐朽がうまく進まず中心部が残ってしまったのが芯のある材」というのは、通常の産卵木や飼育材に関していえば正しくありません。

下の写真をご覧ください。ほぼ同じくらいの径のクヌギ原木(生木)ですが、片方にははっきりとした芯があり、もう一方にはほとんど芯がありません。

ほとんど芯(心材)がない原木

かなり大きな芯がある原木

経はほぼ同じですが、材によって、もともとこれだけ違いがあります


芯(心材)のあるなしはこのように、原木のときに既に決まっています。芯の部分は木質が非常に固く、茸の菌はほとんど入っていきません。もともと芯がある材は、産卵木・飼育材として適当な状態、つまり腐朽が十分進んだ状態でも芯が残っています。腐朽がかなり進んだ材は芯にも菌がある程度入っていきますが、そうした材はぼろぼろに近い状態になってしまいます。

一方、芯以外の木質部分はほとんど両者とも違いがありませんので、同じ時期に植菌した材は、設置環境など条件が同じであれば、芯がある材もそうでない材も、ほぼ同様に腐朽が進んでいきます。

したがって、一般的な産卵木の場合、芯のあるなしは腐朽度合いを判断する材料にあまりなりません。当店では一定の腐朽期間を経過した材を集め、カット後、1本1本目で見て切断面の状態を確認し、一定の範囲内に腐朽度合いが収まるよう選別しています。

なお、普通はここまで太い芯があるのは珍しく、極端な例です。また、ここまで芯が太い材は、規格外としてはじかれています。

Q3.産卵木や飼育専用材は無農薬?

すべて農薬不使用です。ご質問の背景には、「材に雑虫が少ない」というところから「ひょっとして、農薬が使用されているのだろうか?」という疑問を持たれたのかもしれません。

雑虫が少ない理由は、主としてハウス栽培という栽培方法によるものです。材が自然の中にそのまま置かれている林間栽培に比べ、ハウスという一定密閉された環境での栽培によって、雑虫が入り込みにくくなっています。

また、菌が活発に活動している段階(材に菌糸が蔓延していて、キノコをまだ出している状態)では、キマワリ、ゴミムシダマシ、コメツキムシなどは、あまり産卵しないようです。

当店の材は、まだ菌が生きている段階の材を、保管用のハウス内にて強制的に乾燥させ、産卵木や飼育材として加工しています。

主にこれら二つの理由によって、雑虫が入りにくくなっています。


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