飼育ガイド クワガタ幼虫の雌雄の見分け方

オオクワガタ幼虫のオスメスは、主に雌班の有無と幼虫の頭のサイズによって見分けます。以下、国産オオクワガタを例にご説明します。

》雌斑の有無

おしりから3節目に、クリーム色で丸い1対の器官(卵巣)が見える幼虫とそうでない幼虫がいます。この器官は一般的に雌班(めすはん)と呼ばれ、これが見えるほうがメスで、2令以上の幼虫なら肉眼で確認できます。

矢印の先にあるのが「雌班」。この幼虫(3令。頭幅9.5mm、体重7g)の雌班は、はっきり出ているほうです。

横から見たところ。上の幼虫と同令(3令)の別個体。これもよく出ているものを選んで撮影しました。

2令幼虫の雌班。見にくいですが、よく見るとクリーム色の器官が1対確認できます。

この雌班は成育度合いや個体差など幼虫によって見える大きさがまちまちで、食べている餌の色によって見分けにくくなっていることもあります。

黒い色のマットを食べている場合は比較的はっきり見えることが多いのですが、菌糸瓶など肌色に近い餌を食べている幼虫の場合など、「雌班がないからオスだ」と考えていると、羽化してみたらメスだったということもあります

そうしたことから、雌斑以外にもう一つ尺度があると、より判定が確かになります。そのもう一つの尺度が「頭幅」です。

》頭のサイズ

かなり個体差があるものの、オスの頭(オレンジ色の部分。ヘッドカプセル)はメスより少しだけ大きく、2令以降になると微妙ながら違いが出てきます。雌雄の判定は雌班の有無とともに、幼虫の頭のサイズを併せて判断します。

単純に言うと、頭の大きな幼虫がオスで、小さいほうがメスです。幼虫が3令なら、おおむね頭幅が11ミリ以上あればオス、7~8ミリ台であればメスと考えてよいでしょう。

ただし、この頭幅は成育環境によって異なってきます。1令~2令の時期を栄養価の低い状態で育てた場合は、3令でもオスの頭幅が9ミリ台にしかならないことがありますし、菌糸瓶を使用すればメスの頭幅は平均で9ミリから10ミリになります。

したがって同一環境で同様に成長している幼虫どうしの頭幅を比較することが重要で、雌班と併せて判断します。

頭幅9.5ミリの3令幼虫。頭のいちばん広いところを計っています。


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